凡人の言い訳
「心のどこかでは、いつか変わらなければ、何かを変えなければ、とりかえしのつかないことになるんじゃないか、そんな予感がずっとしていた。会社の同僚と酒を飲んでいても、友人と遊んでいても、なんだかまだ大事な仕事を残してきているような、やらなければならない仕事があるような感覚があるから、心から楽しめなくて、でも、どうしていいか分からなくて、その感覚に蓋をして何年も生きてきた。」
おいおい、自分のことかと思って二度見した文章。キングオブ凡人の主人公と考えていることがまるで同じ。
この本は偉人伝集で、様々な偉人たちの地道な努力や思想が描かれている。さらに凡人である主人公(まるで自分)を引き合いに出してその違いをまざまざと見せつけてくれる。
主人公(そう自分)はこのままでは成功できない凡人だ。凡人の特徴もご丁寧に本書に示されている。その特徴が以下だ。
- 秘訣とコツを求める
- 人の意見を聞かない
- 結局言い訳をして行動しない
耳が痛い。
では成功者の鉄則は何か。
成功者の鉄則
- 靴を磨く
(イチロー。道具を大切にする) - トイレ掃除
(松下幸之助と本田宗一郎。人が嫌がることを率先して行う) - おつり募金
(石油王ロックフェラー。人を喜ばせたいという気持ちをもつ) - 笑わせる
(サウスウエスト航空。トラブルや悩みにも立ち向かえるユーモアをもつ) - 褒めまくる
(鉄鋼王カーネギー、ウォルマート。人を気持ちよくすることが同時に自分を気持ちよくする) - 身内を大切にする
(コカコーラ。誰が自分にとって一番大事な人か認識する) - まず、やめる
(カーネルサンダース。新しいことを始めるには何かをやめる、代償を払う) - 鏡を見る
(ナポレオン、ココシャネル。人はその制服の通りの人間になる) - 得意を聞く
(ドラッガー、ジョーダン。社会に貢献できる分野があるならそれを軽視しない) - 応募する
(ダーウィン。自分がワクワクできで自分の持っている力を一番発揮できる仕事を探す)
他にもたくさんの秘訣や偉人伝が載っていて、ここに挙げたのはその中の一部だ。
この本はベストセラーになっていてシリーズ化されて累計400万部を突破している。では400万人の成功者を生み出したのか?
答えは否だ。私を含むいわゆる凡人は秘訣とコツを求めて本を読み、色々な意見を知ったところで言い訳をして結局行動しないからだ。
わたしも凡人なんだけど、やっぱりどうしてもこのままでいたくない。いつか「人生楽しいか?」って聞かれた時に胸を張って「最高に楽しい!」と答えたい。
こんなに簡単なことも成功の秘訣なの?ってことが色々書いてあるこの本は、実際に読むのがおすすめ。刺さる言葉や偉人の偉業は読む人それぞれ。実行できること、継続できそうなことも人それぞれ。だからまだ読んでいない人は是非買ってみて欲しい。
凡人代表、私の場合
自分の生活にこの本の内容を落とし込むことで行動に繋げてみることにする。
まず靴を磨く。トイレ掃除をする。これは本を読んだ日からこの言葉通り実行して続けている。
「お金は、人を喜ばせることでもらうもの。でも、誰でもそうだけど、やりたくないことや嫌なことではなく、好きなことや楽しいことしかできない。だとしたら、人を喜ばせることが何より楽しいと思えるように自分自身を変化させていく。また、自分が好きなこと、楽しいと思えることで人を喜ばせるようにする。」
これについて、まず頭に浮かんだ喜ばせる対象の人は往診同行に付かせてくださる医師、施設看護師、そして周りの薬剤師だった(職場が在宅専門薬局だからね)
医師が薬剤師に求めることって?診断、処方決定は正直本業である医師には敵わないし、医師もそこは求めていないと思われる。喜ばせるには薬理学的な角度からの薬の知識。相互作用や作用時間、同効薬の比較について勉強するといいのかも。
自己研鑽してなさすぎてもう何をしたらいいのか全くわかっていなかったけど、この本を読んだおかげで少し方向性がわかった気がする。
「自分には何か才能がある、自分にしかできない仕事がある、そのことに関してはあきらめたらあかん。見つかるまでそれを探し続けなあかん。自分自身に対してはあきらめたらあかん。」
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